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HONDA TLM50


走行当時、愛用のNikonミニで撮影


 20代中頃、画面設計・レイアウトの研究を兼ねた写真撮影を続けるうちに、もっと行動範囲を広げたくなり、原付バイクを入手する事になりました。高校在学中から動画を描いていた事もあり、免許は何も所有しておらず、原付免許を取る事から始まりました。府中試験場で免許を取得、いよいよ原付バイクの選定を始めました。

 「どこにでも行ける」事が目的だったため、ロードタイプの原付バイクは対象外、運転が簡単でちょっとしたオフロードも走れるスクーターを物色したのですが、そんな都合の良いバイクなどありませんでした。そんな時、当時一緒のスタジオで仕事していた大橋(誉志光)さんが「BW's(ビーウィズ)というスクーターがあるよ」と教えてくれました。スクーターなら運転は簡単、タイヤはブロックタイプ(柄がゴツゴツしたタイヤ)でオフロード走行可能だと言う事で、早々にBW'sに決めました。

 数日後、BW'sを買いに当時住んでいたアパート近くのバイク屋さんに行きました。‥‥が、店のオヤジさんに「ヤマハのBW'sは、現在生産中止だね〜」と言われ、一気に目標を失ってしまいました。(購入候補を1点しか挙げずに買いに赴いたのも、迂闊でした。)

 ‥‥そうなのです。バイクはパソコンと同じくらいモデルチェンジが激しく、気に入ったらその時が買い時なのです。‥‥しかしながら、私は始めてバイクを買う身であり、気に入ったもヘチマも無かったので、「単にモノが無い」という現実だけが目の前にぶら下がっていました。

 「オフロードに行きたいのなら、これなんかどうかなあ。ちょうど今あるんだよ。」と店のオヤジさんに勧められたのが「TLM50」でした。パっと見た感じでは原付に見えないほど車体が大きく、しかもギア付きで、「アクセルとブレーキだけ」のスクーターより運転が難しいのはド素人の当時の私でも容易に想像がつきました。「ギアなんて簡単だよ、納車の時に教えてあげるよ」と言われて『‥‥そうかなあ』と内心思いましたが、現実問題として「オフロード走行可能のスクーター」がラインアップから消滅している以上、「ギア付きは難しい」などとツベコベ入っている状況ではありません。数分考えた後(早ッ!)TLM50を買う事に決めました。

 数日後、納車(ナンバープレートなどの登録が済んだ状態)され、約束通り店のオヤジさんにギアの使い方を「ちょこっと」教えてもらい、ギアに不慣れながらも何とか無事にアパートにたどり着きました。数日はバイクの運転自体に慣れる事が目標でしたが、一週間もすると「とりあえず」は走れるようになりました。

 それからというもの、首からEOS100をぶら下げバイクであちこちを走り回る日々が続きました。バイクに乗るようになってから、写真の取り方が「大味(おおあじ)」になった感はありましたが、電車と徒歩では行く事のできない場所を写真撮影のフィールドに加えられた事は、私にとって大きな収穫でした。

 実際にTLM50で走っていた期間は2年に満たない間でしたが、あまりにも色々な場所に入ったので、とても長い間TLM50に乗っていた錯覚を起こします。それほど頻繁にTLM50で色々な場所に行き、色々な写真を撮ったのでした。

 加えて、ヘッドライト・テールランプの交換、チェーンの交換、ドラムブレーキのシュー交換、タイヤとチューブの交換、スプロケットの交換、ハンドルバーの交換、クラッチの交換、キャブレター本体やジェットの交換、サイレンサーの交換‥‥など、ひと通りのバイクの整備をパーツの安価なTLM50で体験した事は、後のバイク歴の基礎となりました。カテゴリーは違いますが、私がMacやIBM/PCのパーツ交換を難無く出来るのは、もしかしたらTLM50をよくいじっていた事も大きく作用しているのかも知れません。バイクいじりに比べれば、ほぼ組み上がったパーツを買って来てドライバーとラジオペンチ程度の工具で組むだけの「ボルトオン」の自作パソコンは、とても簡単・順調に組み上げられます。(基盤作りから始まり抵抗やコンデンサをハンダ付けしていた昔の電子機器自主制作は結構大変でしたけどネ)



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